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人手不足なのに俺たちの給料上がらないのおかしくね?

人手不足であれば人間の価値が上がって経済的に豊かになると思いますが、日本は本当に人手不足ですか?

はい。日本はマクロで見ても実際に人手不足です。ただし、ご指摘の「人手不足なら人間の価値が上がって、もっと豊かになるはず」という疑問はかなり重要です。日本では人手不足なのに、その希少性が十分に賃金へ転換されていないという問題があります。

厚生労働省自身、現在の日本を「長期的かつ粘着的な人手不足」と表現しています。2024年の失業率は2.5%と低く、非製造業の企業の人手不足感はバブル期以来の非常に高い水準でした。さらに厚労省の推計では、2023年時点で労働力が年間約9億時間不足しており、年間2,000時間働く正社員に換算すると約45万人分です。

一方で、少し奇妙なことも起きています。2024年の労働力人口は6,957万人で過去最高です。女性や高齢者の就労が増えているからです。それでも人手不足が解消していません。つまり単純に「働く人が減った」というだけではありません。

なぜ人手不足なのに、それほど豊かにならないのか

ここが核心だと思います。

普通の市場なら、

人が足りない → 労働者の奪い合い → 賃金上昇 → 人間の市場価値上昇

となるはずです。

実際、厚労省も今後の人手不足が賃金上昇を促す可能性を指摘しています。

ところが、日本ではもう一つの調整が起こります。

人が足りない → 賃金を大幅に上げる

だけではなく、

人が足りない → 営業時間を短縮する/仕事を断る/高齢者を雇う/外国人を雇う/非正規雇用を使う/自動化する/既存社員の負担を増やす/事業そのものを縮小する

という調整です。

そのため、「人手不足=全労働者の給料が急騰」とはなりません。

さらに重要なのが人手不足の偏りです。厚労省も「日本全体の労働力不足」と「特定の産業・職業に人が集まらない問題」を分けています。

例えば、概念的にはこんな状態があり得ます。
職種状況賃金への圧力
建設深刻な不足強い
介護深刻な不足強いが価格転嫁しにくい
運輸深刻な不足強い
飲食・サービス不足強い
IT高度人材不足強い
一般事務求職者が比較的多い弱い
一部の営業・仲介人はいる弱い
ですから「日本人なら誰でも希少」というわけではなく、社会が必要としている仕事を実際にできる人が不足しているという側面が強いのです。

そして、もう一つ大きな問題があります

人口構造を見ると、この人手不足は一時的とは考えにくいです。

15~64歳の生産年齢人口は、

2020年:約7,500万人
↓
2040年:約6,200万人

まで減ると推計されています。約1,300万人減です。

ところが、高齢者になったからといって消費がゼロになるわけではありません。

例えば80歳の人も、

「食事をする・電気を使う・買い物をする・病院へ行く・介護を受ける」

という需要を持っています。

しかし労働供給側からは退出していきます。

つまり、

消費する人:それほど急には減らない
↓
働いてサービスを提供する人:大きく減る

という構造になります。厚労省も、高齢化では消費の減少より労働力供給の減少の方が大きくなり、人手不足を強める可能性を指摘しています。

では、人手不足は日本人を豊かにするのか

ここは「条件次第」です。

人手不足そのものは、労働者側の交渉力を強くするので、本来はかなり有利な環境です。

ただし、

人手不足 → 賃金上昇 → 企業が省力化投資 → 一人当たり生産性上昇 → さらに賃金上昇

となれば豊かになります。

逆に、

人手不足 → サービス縮小 → 長時間労働 → 企業倒産 → 生産量減少 → 物価上昇

となると、国全体ではあまり豊かになりません。

内閣府も現在の人手不足を「成長制約」として扱っています。

ですから、「人手不足なのだから日本人の価値は上がるはず」という考え自体は経済学的にはかなり自然です。

むしろこれから重要なのは、なぜ日本では人手不足がこれほど深刻なのに、労働者の希少価値がもっと強烈な賃金上昇として現れないのかです。

ここを掘ると、かなり面白い話になります。私は「日本には本当の意味で人が足りない」のと同時に、「生産性の低い仕事・企業・仲介構造に人材が残っているため、必要な場所に人が移動していない」問題も相当に大きいと考えるのが適切だと思います。これは先ほど話していた「仲介業者ばかり増えて、実際に作る側・発注する側が少なくなる」という疑問にもつながっています。厚労省も労働市場のマッチング効率が低下している可能性を指摘しています。

でもホワイト企業は応募殺到するじゃん

誰もやりたくない介護や賃金が低いサービス業、同じくブラック労働のIT業界が人手不足なのは、人が足りないからではなく給料が払えないから当たり前の事だと思います。経済的に豊かな公務員や大企業は人手不足ではなく過剰すぎて断っている状態だと思います。

その見方には重要な点があります。日本の「人手不足」という言葉は、人口そのものが足りない問題と、「その待遇では人が来ない」という問題を一緒にしてしまいやすいです。

例えば介護事業者が「月給25万円で募集しても人が来ない」とします。しかし月給50万円なら応募者が殺到するのであれば、経済学的には「人間が存在しない」のではなく、その事業者が提示できる価格での労働供給が不足していると考えた方が正確です。

これは普通の商品市場に置き換えると分かりやすいです。

米を5kg 1,000円で買いたいのに誰も売ってくれない。
→「日本は米不足だ」

と言われれば、「いや、5,000円出したら買えるのでは?」という話になります。

労働市場にもかなり似た側面があります。

ただし、「公務員や大企業は人余り」という部分については、もう少し分けて考える必要があります。大企業でも技術者・建設・物流・高度ITなど特定職種では採用難がありますし、公務員でも自治体の技術職など応募者確保が難しい分野があります。一方、待遇・安定性・知名度の高い職には応募者が多くなります。

したがって、日本の状況を私は次の3種類に分けると分かりやすいと思います。
状態本質例
絶対的人手不足働ける人口そのものが需要に対して少ない人口減少地域など
価格的人手不足その賃金では人が集まらない介護・飲食などに多い
ミスマッチ人はいるが職種・地域・技能が合わないIT技術者・建設技術者など
特に問題なのが2番目です。

「人手不足なのに給料を上げられない」は重要なシグナル

普通の市場経済なら、

人手不足
→ 賃金を上げる
→ それでも採算が取れる企業だけ残る
→ 採算が取れない企業は退出
→ 労働者が生産性の高い企業へ移る

という調整が起こります。

ところが日本では、これが十分に進まず、

人手不足
→ 賃金はあまり上げられない
→ 採用できない
→ 現場が疲弊
→「深刻な人手不足です」

となっている企業も相当あります。

ここで「人手不足だから外国人を増やそう」だけで解決すると、別の問題が出てきます。本来なら賃金上昇によって淘汰・自動化されるはずだった低生産性事業を延命させる可能性があるからです。

介護はさらに特殊です

介護の場合、「だったら介護料金を上げればいい」という普通の市場原理だけでは動きません。

介護報酬が公的制度によって大きく決められているため、

介護職員不足 → 給料を50%上げる → 利用料金を50%上げる

という価格調整を事業者が自由にできません。

したがって介護の「人手不足」は、

介護サービスへの需要 > 現在の報酬制度で雇用できる労働者

という意味合いがかなりあります。

これは単純な人口不足とは別問題です。

ITも「IT人材不足」という表現だけでは雑です

例えば、

「高度なAIエンジニアを年収1,500万円で採用したい」

と、

「PHPをかなり書けてサーバー管理もできる人を年収350万円で採用したい」

では、同じ「IT人材不足」でも意味がまったく違います。

後者なら「IT技術者がいない」のではなく、

要求する能力に対して提示賃金が低すぎる

可能性があります。

そして、これはかなり重要な区別です。

さらに突き詰めると、求人倍率だけを見て「日本は人手不足」と結論づけるのも危険です。

企業が、

「月給25万円なら5人欲しい」

と言っているからといって、

「その会社には社会的に5人の労働者を割り当てる必要がある」

わけではありません。

月給40万円にしたら採算が取れず、その仕事自体が消えるのであれば、その求人需要は低賃金を前提として初めて成立している需要だからです。

これは日本の今後を考える上で非常に重要だと思います。

人口減少社会では、むしろ

「すべての企業の人手不足を解消する」

ことを目標にする必要はありません。

人が少なくなるなら、

低生産性企業・不要な業務・過剰な店舗・過剰サービス
→ 縮小・統合・自動化

そこで働いていた人
→ 高い賃金を払える企業・重要産業へ移動

という再配置が起こる方が、一人当たりの豊かさを高められる可能性があります。

ですから、「日本は人手不足なのか?」をもっと厳密に言い換えるなら、

「現在の日本企業が、現在の賃金と労働条件のまま必要としている人数に対して、人が足りない」

ことは確かです。

しかし、それと

「日本社会に働ける人間が絶対的に足りず、どこに行っても労働者が希少で高く評価されている」

は同じではありません。

そしてご指摘の「待遇のいいところには人が殺到し、待遇の悪いところだけが人手不足を訴えているのではないか」は、日本の人手不足を考えるうえで検証すべき重要な仮説です。

実際にこれを確かめるなら、職業別の有効求人倍率と平均賃金を並べるのが一番分かりやすいです。「介護・飲食・IT・事務・公務員・大企業」あたりを実データで比較すると、この仮説がどこまで正しいのかかなりはっきりします。

君の言う仮説とやらは興味があるよ

職業別の有効求人倍率と平均賃金を並べることができますか?

できます。厚労省の「job tag」でかなりきれいに比較できます。

比較可能性を優先して、有効求人倍率=令和6年度(2024年度)のハローワーク統計、年収=令和7年(2025年)の賃金構造基本統計調査として全国値を並べます。なお、年収は現在働いている人の実績なので、求人票の提示額とは別です。
職業有効求人倍率平均年収求人月給状況
建設・土木作業員9.48倍435万円27.3万円極端な人手不足
保育士3.16倍428万円22.9万円強い人手不足
施設介護員3.09倍388万円21.8万円強い人手不足・低賃金
飲食ホールスタッフ2.91倍371万円25.4万円強い人手不足・低賃金
SE(Web・受託系)2.57倍579万円前後*35.2万円人手不足
看護師2.41倍525万円26.0万円人手不足
プログラマー0.94倍579万円32.9万円人手不足ではない
一般事務0.30倍541万円20.8万円大幅な人余り
job tag上ではSE/プログラマーなどで対応する賃金統計上の職業分類が共通になる場合があるため、完全に個別職種だけの平均ではありません。

各数値は厚労省job tagによります。施設介護員は年収388万円・求人倍率3.09倍、飲食ホールは371万円・2.91倍です。 建設・土木は435.2万円・9.48倍、保育士は427.6万円・3.16倍です。 看護師は524.7万円・2.41倍です。 プログラマーは578.5万円・0.94倍です。 一般事務は541.4万円・0.30倍です。

この数字はかなり興味深いです

先ほどの仮説をかなり支持する結果になっています。

特に極端なのが、

施設介護員

年収388万円 → 求人倍率3.09倍

飲食ホール

年収371万円 → 求人倍率2.91倍

に対して、

一般事務

年収541万円 → 求人倍率0.30倍

です。

求人倍率0.30倍とは、単純化すれば求職者10人に対して求人3件程度です。

反対に介護の3.09倍なら、

求職者10人に対して求人約31件

という世界です。

しかも一般事務の平均年収の方が施設介護員より約153万円高い。

これは「日本全体で一様に人間が足りない」というイメージとはかなり違います。

ITについては、さらに面白い結果です

「IT人材不足」と一括りにするのもかなり危険です。

Webサービス等のSEは求人倍率2.57倍程度なのに対して、プログラマーは0.94倍です。

つまり少なくともハローワーク統計上、

プログラマーそのものは求人より求職者の方が若干多い

という状態です。

一方、より上流の設計・開発を担うSEでは不足しています。

ですから「IT業界は人手不足」というより、

「企業が欲しがる経験・能力を持ったIT人材が不足している」

と表現する方が実態に近そうです。

一番衝撃的なのは建設です

建設・土木作業員は9.48倍です。

これはさすがに「待遇だけの問題」と言い切るのも難しく、技能・高齢化・肉体労働・勤務地など複数の要因による本物に近い供給制約が起きていると考えた方がよさそうです。

ただ、それでも平均年収は435万円程度です。

ここにはまさに最初の疑問、

「そんなに人が足りないなら、なぜ年収800万円にならないのか?」

が残ります。

「人手不足=高賃金」にはなっていない

上のデータを求人倍率順に見ると、

9.48倍 建設 → 435万円
3.16倍 保育 → 428万円
3.09倍 介護 → 388万円
2.91倍 飲食 → 371万円
2.41倍 看護 → 525万円
0.94倍 プログラマー → 579万円
0.30倍 一般事務 → 541万円

となります。

むしろ一見すると、

求人倍率が高い職業ほど賃金が低い

という逆転現象すら見えます。

もちろん資格、年齢、労働時間、勤続年数などが違うので、この8職種だけから因果関係までは言えません。しかし少なくとも、

「日本は人手不足 → 労働者が希少 → 人手不足職種ほど高給」

という単純な説明が成立していないことは、かなりはっきりしています。

むしろ、

低賃金・きつい仕事
→ 人が応募しない
→ 求人倍率が上昇
→ 企業は人手不足と訴える
→ しかし十分な賃上げができない

という方向の因果関係も相当ありそうです。

そして一般事務の0.30倍は特に重要です。「日本には働く人そのものがいない」のであれば、ここまで求職者が余る職業が存在することを説明しにくいからです。

次にやるなら、20~30職種くらいまで増やして「横軸=平均年収、縦軸=求人倍率」の散布図にすると非常に面白いです。もし本当に「低賃金だから人手不足」が大きな原因なら、右下(高賃金・人余り)と左上(低賃金・人手不足)に職業が偏るはずです。

それは現場が見えていない机上のデータだよ

この表にはサービス残業や労働環境の良し悪しは反映されていないように見えます。一般事務は一般という言葉の範囲が広すぎて何の業務なのか分かりません。

その通りです。前の表だけで「低賃金だから人手不足」と結論づけるのは不十分です。特に平均年収だけでは仕事の魅力度をかなり取りこぼします。

たとえば年収500万円でも、「年間休日125日・残業月5時間・デスクワーク」と「年間休日90日・残業月50時間・夜勤あり・肉体労働」では、労働者から見た価値はまったく違います。さらにサービス残業があれば、統計上の労働時間より実態は悪くなります。

したがって本当に調べるなら、職種ごとに少なくとも、
指標何を見るか
求人倍率どれだけ人が集まらないか
求人賃金新しく雇う人に企業がいくら提示しているか
実際の年収現在働いている人の所得
所定内労働時間通常勤務の長さ
残業時間長時間労働の程度
時給換算賃金労働時間を考慮した報酬
年間休日休みの多さ
離職率入っても辞めてしまうか
夜勤・交替勤務生活への負担
肉体的負担介護・建設・物流など
精神的負担クレーム対応・納期・責任など
サービス残業統計で把握しにくい
くらいを組み合わせる必要があります。

特に最後が難しく、サービス残業はそもそも企業の正式な勤怠記録に残らないことがあるので、政府統計だけから職種別に正確な数字を出すのは困難です。

「一般事務」についてもご指摘の通りです

厚労省job tagの「一般事務」はかなり広い分類です。仕事内容として、文書作成、データ入力、伝票・台帳管理、メール・電話対応、書類整理など様々な業務を含みます。

そのため、

大企業本社の事務職

と

中小企業で電話・経理補助・来客対応・雑務まで全部担当する事務員

を同じ「一般事務」として論じるのは危険です。

さらに前の回答の**一般事務「平均年収541万円」**も注意が必要です。job tagの職業ページと、賃金構造基本統計調査で使用される統計上の職業分類が完全に1対1対応しているとは限らないからです。

ですから、「人気のある楽な仕事 vs 人手不足のきつい仕事」を検証する目的なら、一般事務よりも職業を具体化した方がいいでしょう。

例えば、

介護職員・看護師・保育士・トラック運転手・建設作業員・警備員・飲食店員・ホテル従業員・販売員・コールセンター・営業職・経理事務・受付事務・銀行員・地方公務員・プログラマー・SE

くらいに分けます。

すると、かなり興味深い分析ができます。

私なら「年収」ではなく「仕事の割の良さ」を比較します

例えば単純化して、

実質時給 ≒ 年収 ÷ 実労働時間

をまず計算します。

そのうえで、

夜勤・休日・肉体負担・精神負担・雇用安定性・勤務地・資格取得コスト

も横に並べます。

そうすると、

人が本当に存在しないから求人倍率が高いのか

それとも、

賃金・労働時間・仕事内容を考えれば割に合わないので、合理的に労働者から避けられているだけなのか

をかなり切り分けられます。

これは最初の「日本は本当に人手不足なのか?」という疑問を検証するには、平均年収と求人倍率だけを見るよりずっと良い方法だと思います。

必要なら次は私が厚労省などの実データを集めて、10~15程度の具体的な職種について「求人倍率・求人賃金・年収・月間労働時間・残業・時給換算」まで一つの表にしてみます。 これなら「人手不足職は本当に割に合わない仕事なのか」がかなり見えてきます。

話を変えよう。金にならない仕事って必要だろうか?

質問を変えます。人手不足なのに賃金は上げられない仕事というのは本当に必要な仕事ですか?

はい。ただし、「必要な仕事」と「その仕事を現在の形・人数・価格で維持する必要がある」は別問題です。

私はここを分けると、日本の「人手不足」がかなり分かりやすくなると思います。

たとえば介護は典型です。高齢者の食事、排泄、入浴を助ける仕事そのものは、需要がある以上なくせません。しかし、「今と同じ施設数・同じ人員配置・同じ事務作業・同じサービス水準・同じ価格」で維持する必要があるとは限りません。

一方、客がほとんど来ない店や、他社とほぼ同じ商品を売る赤字企業が、

人が足りない。でも時給1,200円以上は払えない。

という場合には、かなり違う話になります。

市場経済では本来、

人手不足 → 賃金上昇 → 価格上昇・省力化 → それでも成立しない事業は縮小・退出

という調整が起こります。

これは必ずしも悪いことではありません。

例えば飲食店が100店舗あって全部が人手不足なら、「外国人労働者を入れて100店舗全部を維持する」以外にも、

100店舗 → 70店舗に集約 → 従業員も客も70店舗へ集中 → 一店舗あたり売上増加 → 高い給料を払える

という解決方法があります。

むしろ人口減少社会では、この再編が重要です。

ただ、これができない仕事があります。消防、警察、医療、介護、上下水道、公共交通などです。

山間部の消防署について、

「赤字で高い給料も払えないから撤退します」

とはできません。

こうした仕事は市場価格では価値を測れない社会的必要性があります。その場合は税金・社会保険・補助金などによって社会全体で費用を負担する必要があります。

つまり、大きく3種類に分けられます。
人手不足なのに賃金を上げられない理由判断
利益率が低く、値上げすると客が来なくなる事業縮小・退出を検討すべき
同業者が多すぎて過当競争になっている統合・淘汰した方がよい可能性
社会に不可欠だが市場価格では維持できない公的負担を含めて維持する必要
ここで非常に重要なのは、「企業が必要としている仕事」と「社会が必要としている仕事」は違うことです。

企業が「あと10人必要」と言っているからといって、日本社会にその10人分の労働が必要だとは限りません。

例えば10社がそれぞれ営業担当者を10人欲しがっているとします。

100人の営業マンが、

A社の商品を売る → B社が取り返す → C社が営業する → A社が営業を強化する

という顧客の奪い合いをしているだけなら、企業にとっては必要でも、社会全体の生産量を100人分増やしているとは限りません。

逆に、介護士10人が不足して10人の高齢者が介護を受けられないなら、かなり直接的に社会的損失が発生します。

ですから「求人がある=社会に必要な仕事」という前提そのものを疑った方がいいと思います。

そして、この考え方を人口減少社会に当てはめると重要な結論になります。

日本は「人手不足を解消する」のではなく、「少ない人間をどの仕事に使うか」を考える段階に入っているとも言えます。

仮に労働者が500万人減るなら、500万人を外国から補充する以外にも、

社会的重要性の低い仕事を500万人分減らし、必要な仕事に人を集中させ、一人あたりの生産性と賃金を上げる

という方向があります。

もちろん実際にはそんな綺麗に移動できませんし、「不要な仕事」を政府が決めるのも危険です。だから市場では賃金という価格シグナルが重要になります。

本当に人が必要なら企業は高い賃金を提示する。それを払えない事業は値上げ・自動化・統合・縮小する。それでも社会的に絶対必要なのに成立しない介護やインフラなどについては、公的に支える。

この仕組みが正常に働けば、「人手不足」は必ずしも日本にとって悪い現象ではありません。むしろ低生産性な仕事から高生産性・高必要性の仕事へ人を移す圧力になり得ます。

問題は、その調整を阻害して「人手不足だから、とにかく安い労働力を増やして現在の産業構造をそのまま維持しよう」とすると、低賃金・低生産性の構造まで温存する可能性があることです。

本当に必要なら人は金を払うよ

山間部の消防署がもし人手不足で困っているのであれば、賃金を上げて募集すれば良いと思います。なぜ誰も来ない低賃金でやる必要がありますか?税金が集まらないのであれば、そこは地域として無くても良いと思います。

その考え方は、経済学的にはかなり一貫しています。ポイントは、「必要だから安く働いてもらう」という論理は成立しないのではないか、ということだと思います。

消防署の例なら、

消防士が足りない → 給料を上げる → 税負担を増やす → それでも住民が負担できない/したくない → その地域で現在の行政サービスを維持できない

という順序で考えるのが自然です。

「必要な仕事ほど高くなる」は本来正常です

山間部で消防士が非常に集まりにくいなら、

都市部:年収500万円
山間部:年収800万円

となっても不思議ではありません。

不便な勤務地で働いてもらうには、不便さに対する価格を払う必要があるからです。

これは民間では普通にあります。

僻地勤務手当、夜勤手当、危険手当、海外赴任手当などは、まさにこの考え方です。

それでも人が来ないなら900万円、1,000万円……と上げる。その費用を地域社会が負担できるかが次の問題になります。

そこで「地域を維持する価値」が価格として現れる

例えば人口500人の集落を維持するため、

消防・道路・水道・学校・医療・除雪・郵便・電力などに年間10億円必要だったとします。

一人当たり200万円です。

一方、人口10万人の都市なら同じインフラを多数で共有できます。

ここで、

「人口500人の集落も人口10万人の都市も、同水準の公共サービスを提供しなければならない」

とすると、都市住民から地方へのかなり大きな所得移転が必要になります。

これはもはや「人手不足」の問題ではなく、

その地域を全国民の負担で維持する価値があるのか

という政治的・社会的判断になります。

「地域がなくなる」というのも実際には選択肢です

これはかなり重要です。

人口が減っても、

道路も維持する
水道も維持する
学校も維持する
病院も維持する
消防署も維持する
バスも維持する

とすると、一人当たり維持費はどんどん上昇します。

人口1万人用に作ったインフラを人口1,000人で維持すれば、一人あたり負担が大きくなるのは当然です。

その場合、

集落A 500人
集落B 700人
集落C 800人
↓
中心地域に人口を集約

という「コンパクト化」は合理的な選択肢になります。

実際、日本政府も人口減少を前提として「コンパクト・プラス・ネットワーク」という方向を政策として掲げています。国土交通省「コンパクト・プラス・ネットワーク」

ただし、市場原理だけでは決められない部分もあります

ここだけは重要な留保があります。

「税収だけで維持できない地域はなくしてよい」とすると、例えば離島・国境地域・ダム周辺・農林業地域なども採算だけで評価することになります。

ところが、

国土管理、防災、水源管理、食料生産、安全保障、文化的価値

など、その地域の住民以外にも便益を与えている場合があります。

例えば500人の集落を年間5億円補助していても、その地域の森林・水源・農地などを維持することで下流の100万人が利益を受けているなら、単純に「500人から税金を集められないから廃止」とは言えません。

つまり評価対象を、

その自治体の税収 > 行政費用

だけにするのではなく、

その地域を維持することで日本全体が得る便益 > 日本全体が負担する維持費

まで広げる必要があります。

それでも費用の方が圧倒的に大きいなら、撤退・集約を選択肢から外す理由はありません。

そして、これは最初の「人手不足」の話にも戻ります。

人が来ないから低賃金のまま募集し続ける

という状態は、問題を解決していません。

本当に必要なら、人が来るところまで賃金を上げ、その本当のコストを社会に見せるべきです。

そこで初めて、

年収500万円なら維持したい。
年収1,000万円払わないと消防士が来ない。それでも維持したいのか?

という判断ができます。

私はこの意味で、人手不足時の賃金上昇には「その仕事・企業・地域を本当に維持する価値があるのか」を可視化する役割もあると考えると、かなり整理しやすいと思います。

そう、だったら、要らないんじゃないか

人がいない離島は人がいなくても維持できます。現に日本の艦隊が巡行しているだけの島もあります。日本として必要なのであれば、高い給料で島を守る事はできるはずです。必要のない島の数人の住民を守るために消防署や病院を維持する必要は無いです。必要ない地域の消防隊が賃金不足で人手不足になるのであれば、そもそも消防隊が必要無いので、消防隊が賃金不足で人手不足になるという事はありえないように思います。

はい、その論理を突き詰めると、かなり重要なところに行き着きます。

つまり、「人手不足なのに賃金を上げられない=人が足りない」と表現すること自体がおかしい場合があるのではないか、ということですね。

市場原理として整理すると、私はかなり同意できる部分があります。

「必要性」と「支払意思」をセットで考える

仮に消防士が1人必要だとします。

年収400万円 → 誰も応募しない
年収500万円 → 誰も応募しない
年収700万円 → 応募者が来る

なら、この地域で消防士を確保する実際の価格は700万円です。

そこで自治体が、

「700万円は払えません。しかし消防士が必要です。深刻な人手不足です」

と言ったとしても、経済的には少し奇妙です。

実態は、

「700万円を払ってまで消防サービスを維持する意思または能力がない」

とも表現できるからです。

これは人以外の商品ならもっと明確です。

消防車が5,000万円するのに、

「1,000万円しか出せないので消防車が手に入りません。日本は消防車不足です」

とは普通言いません。

「予算不足」と言います。

労働力についてだけ、

「年収400万円では人が来ない」→「人手不足」

と表現するので、問題の性質が分かりにくくなる面があります。

そして「地域をなくす」と「領土を捨てる」は別です

ここもおっしゃる通りです。

住民がいなくなったからといって、日本の領土でなくなるわけではありません。

必要なら、

無人島として管理する
海上保安庁・自衛隊等が監視する
レーダーやカメラ等を設置する
必要な人員だけ高待遇で配置する

という方法があります。

安全保障上、年間数十億円かけても維持する価値がある島なら、これは「採算の取れない集落を維持する」のとは別の国家的支出です。

重要なのは、

「土地・領土を維持すること」と「そこに民間人が生活できる都市機能を維持すること」を分離できる

ということです。

すると「人手不足」は4種類くらいに分解できます

ここまでの議論から考えると、日本で一括して「人手不足」と呼んでいるものには、実際には別の問題が混ざっています。
状況本当の問題
給料を上げても人がいない本当の労働供給不足
給料を上げれば来るが、企業が払えない企業の収益性・生産性不足
給料を上げれば来るが、公的機関が払わない予算・政策配分の問題
高い給料を払ってまで維持する価値がないその事業・サービスの必要性の問題
この区別は非常に重要です。

例えば介護施設が、

月給22万円 → 応募者ゼロ
月給30万円 → 応募者多数

なら、「介護士そのものが日本にいない」とは言えません。

問題は月給30万円を払える介護報酬体系になっていないことかもしれません。

その場合には、

介護報酬を上げる → 保険料・税金を増やす

のか、

施設を統廃合する

のか、

サービス水準を下げる

のか、

機械化する

のかを選択することになります。

「介護人材が足りないから外国人を連れてくる」は、さらに別の政策選択です。

ただし、一点だけ「必要なら必ず高給を払える」とまでは言えません。

社会的に必要なものが、その社会の支払い能力を超えることはあり得るからです。

極端な例なら、貧しい国でも医師は必要です。しかし医師全員に年収3,000万円を払えるとは限りません。

これは、

必要性 ≠ 支払い能力

という問題です。

日本についても、高齢化によって、

働く人100人
↓
介護・医療を必要とする人が非常に多い

となれば、介護職員の給料を上げるには現役世代の税・保険料を上げる必要があります。

だから本当に重要なのは、

その仕事に人が必要なら、その人を確保できる価格まで賃金を上げた場合、それでも社会としてそのサービスを購入したいのか?

という問いだと思います。

答えがYESなら、税金でも利用料金でも価格を上げて人を確保する。

答えがNOなら、縮小・廃止・統合する。

これが本来の調整です。

そしてこの考え方を採ると、確かに**「低賃金だから人が来ません。でも仕事は減らしません。だから日本は人手不足です」**という状態には矛盾が見えてきます。

より正確には「人手不足」というより、**「現在の価格・賃金・サービス水準・産業構造を維持するには安価な労働力が足りない」**というケースが相当含まれているのではないか、という問題になります。

ここまで来ると、次に検証すると面白いのは、日本政府が「人手不足」として外国人労働者の受け入れを進めている職種について、本当に賃金を上げても人が確保できないのか、それとも「現在の低価格を維持するための低賃金労働者が不足している」のかです。これは実際の政策を評価するうえでかなり重要な違いです。

君のやり方じゃ闇医者だらけになっちゃうよ

医者に給料が払えないので医者が足りておらず治療が受けられない国は実在します。そういった国では闇医者や知識の無い医療行為が増えます。結果として、闇医者やその他悪い医療行為を含めれば、結果として国民が医者に払っている金額は高くなるので、医者の給料は必要充分に上がるはずです。
↑備考:これは「医者に払っている金額」ではなく「医療行為に払っている金額」とすべきだった。

その考え方はかなり面白く、経済学的には「正規の医療に十分な価格を払わなければ、医療需要そのものが消えるわけではなく、別の形でコストを払う」という話になります。

ただし、最後の**「だから最終的には医者の給料が必要十分に上がるはず」**だけは、必ずしも成立しません。

たとえば正規の医療制度を維持するのに国民1人あたり年間10万円必要なのに、国民が平均5万円しか負担できない国を考えます。残り5万円分の需要は、闇医者だけでなく、無治療、家族による介護、民間療法、長期の病欠、早期死亡などにも流れます。

社会全体ではむしろ、

正規医療5万円 + 民間療法2万円 + 家族の無償介護2万円 + 働けないことによる所得損失10万円 = 19万円

のように、10万円の正規医療より高くつくことがあります。

それでも、19万円が医師に渡るわけではありません。

ここが重要です。

医師の給料を上げるには、社会的損失が大きいだけでは足りず、その損失を医師への支払いに変換する仕組みが必要です。

これは日本の介護にも当てはまります。

介護士が不足すると、

介護職の賃金が上昇する

だけではなく、

家族が仕事を辞める
→ 家族が無償で介護する
→ 老人が十分な介護を受けられない
→ 入院が長期化する

などに逃げることができます。

仮に介護士の年収を400万円から500万円にすれば解決する問題だったとしても、家族が年間300万円の所得を失いながら介護している可能性があります。

社会全体では、

介護士に100万円多く払った方が安かった

ということさえ起こります。

これは「価格シグナルが壊れている」状態とも言えます

普通の商品なら、

不足 → 価格上昇 → 供給増加

となります。

ところが医療・介護・教育などでは、

不足 → 家族の無償労働・待ち時間・サービス低下・健康悪化・離職

という「価格以外の支払い」が大量に発生できます。

この場合、国民は確かに高い代償を払っています。

しかし、

国民が負担している総コスト ≠ 医療・介護従事者に支払われる金額

になります。

ここはご指摘を少し修正すれば、むしろ非常に重要な命題になると思います。

必要不可欠な仕事を安く抑えても、その仕事の本当のコストが消えるわけではない。別の場所にコストが移転するだけである。

これは医療だけではありません。

道路整備を削れば自動車の修理費や移動時間が増える。治安維持を削れば防犯設備や警備員への支出が増える。公共交通を削れば自家用車が必要になる。保育士を減らせば親が仕事を辞める。

したがって政策として本当に見るべきなのは給料の額ではなく社会的総費用です。

そして、もし

介護士の賃金を年間100万円上げる費用 < 介護士不足によって家族・病院・企業・本人に発生している損失

なら、介護士の賃金を上げた方が国全体として豊かになります。

逆に、

維持するために必要な賃金 > そのサービスを失うことによる社会的損失

なら、縮小・廃止した方が合理的です。

この基準を使うと、これまで話してきた「本当に必要な仕事なのか?」を、かなり客観的に考えられます。単に「人手不足だから必要」でも「赤字だから不要」でもなく、その仕事をなくしたときに社会が別の場所でいくら払うことになるかまで含めて比較するわけです。

改めて君の意見を聞こう。本当に人手不足なのかい?

今の日本について、人手不足だから賃金を上げたり外国人労働者を確保すべきなのか、維持するための必要な賃金が社会的損失に合わないので縮小廃止していくべきか、どちらだと思いますか

今の日本全体について二者択一で答えるなら、私は**「まず賃金を上げ、それでも成立しない事業は縮小・廃止する」方向を基本にした方がよい**と思います。
外国人労働者によって「現在の産業構造を低賃金のまま維持する」ことを第一の解決策にするのは、人口減少への対応としては問題が大きいです。

なぜ「まず賃金を上げる」なのか

現在すでに市場では、その選別が始まっています。

2025年度の「人手不足倒産」は441件で過去最多でした。特にサービス、建設、運輸などで多く発生しています。2025年暦年では427件のうち77%が従業員10人未満の小規模企業でした。

一方、2025年春闘の主要企業の賃上げ率は平均5.52%でした。つまり、高い給料を払える企業が人材を獲得し、払えない企業が苦しくなる現象が実際に進んでいます。

これは必ずしも日本経済にとって悪いことではありません。

例えば、

A社:年収350万円 × 100人 → 人が集まらない

B社:年収550万円 × 100人 → 人が集まる

なら、政府が「A社も存続させなければ」と考えて安価な労働力を供給するより、

A社縮小・退出 → 人・顧客・設備・資本がB社などへ移動

という調整を許容する方が、生産性も賃金も上がる可能性があります。

実際、2025年には人件費上昇に対応できない中小企業の倒産が問題になっており、帝国データバンクも今後「賃上げ難型」の人手不足倒産が続くとみています。

ただし「潰せばいい」だけではありません

ここは、これまで話してきた「社会的損失」で判断すべきです。

例えばトラック運転手が不足して、

年収450万円 → 人が来ない
年収600万円 → 人が来る

とします。

600万円にすると運賃が20%上がるとします。

それでも社会が、

運賃20%上昇を受け入れてでも物流サービスが欲しい

なら、値上げして600万円払えばいい。

反対に、

翌日配送にそこまで払いたくない

となるなら、

翌日配送 → 3日配送

などサービスを縮小すればいい。

つまり、

「運転手不足だから外国人を入れて現在の安い翌日配送を維持する」

だけが解決策ではありません。

むしろ価格を上げることで、

このサービスは本当に必要なのか?

を消費者自身に選ばせることができます。

介護も同じ考え方ができます

例えば介護士の年収を400万円から500万円にしないと人が集まらないとします。

まず500万円にする。

その結果、介護保険料や税負担が増える。

それでも、

介護士100万人 × +100万円 = 1兆円

の追加費用によって、

家族の介護離職や労働時間減少などによる社会的損失を1.5兆円減らせる

なら、国全体では得です。

逆に、ほとんど利用されない施設を維持するために莫大な費用が必要なら、施設を統合する。

したがって、

必要な介護 → 高い給料を払って維持

必要性の低い施設・サービス → 統合・縮小

を同時にやるのが合理的です。

外国人労働者は「最後の不足」を埋める用途がよい

私は外国人労働者そのものを否定する必要はないと思います。

例えば、

年収700万円を提示
待遇も良い
自動化も進めた
無駄な事業も統合した
それでも建設技術者が5万人足りない

なら、外国人技術者を受け入れる合理性はかなり高いでしょう。

逆に、

日本人には年収300万円しか払えない
→ 誰も来ない
→ 外国人なら300万円で来てくれる
→ だから外国人を増やす

という政策には慎重になるべきです。

これは「労働力不足を解消している」のと同時に、本来起こるはずだった賃金上昇・値上げ・自動化・企業統合・事業退出という市場調整を弱める可能性があるからです。

私なら順番をこうします

① 賃金を上げる
↓
② 価格に転嫁する
↓
③ 消費者がその価格でも必要とするか確認する
↓
必要 → 維持
不要 → 縮小
↓
④ 人が高賃金企業・必要性の高い産業へ移動する
↓
⑤ 機械化・AI・自動化する
↓
⑥ それでも必要な労働力が足りない
↓
⑦ 外国人労働者を含めて供給を増やす

この順序なら、外国人受け入れにも合理性があります。

ところが②~⑤を飛ばして、

「人が来ない → 人手不足 → 外国人を増やす」

としてしまうと、低賃金企業を温存する政策になりかねません。

人手不足による倒産は、すべて防ぐべきなのか

ここも重要です。

2025年度には人手不足倒産が441件発生しました。

しかし、「人手不足倒産=441社分の社会的損失」とは限りません。

ある飲食店が人件費を上げられず閉店しても、客が隣の飲食店へ行き、そこで売上が増えて給料も上がり、閉店した店の従業員も移籍するなら、

10店舗 × 各10人
↓
8店舗 × 各12~13人

になっただけかもしれません。

これは人口減少社会ではむしろ自然な再編です。

一方、地域唯一の救急病院が人手不足で閉鎖し、救急搬送に2時間かかるようになるなら社会的損失は非常に大きい。

こちらには高い賃金や公費を投入する合理性があります。

したがって、今の日本に必要なのは**「人手不足をゼロにする政策」ではない**と思います。

むしろ、

人手不足によって賃金を上昇させ、値上げ・自動化・統廃合を促し、それでも社会的便益が費用を上回る仕事には高い給料を払う。それでも物理的に人が足りない部分を外国人労働者で補う。

という方が合理的です。

これはかなり重要な違いです。

**「日本には人が足りない」ではなく、「今までと同じ数の企業・店舗・施設・サービスを、今までと同じ低価格で維持するには人が足りない」**のであれば、解決すべきなのは人口ではなく、産業構造の方だからです。

そして現在の「人手不足倒産」が過去最多になっていることは、苦しい面がある一方で、まさにその産業再編が始まっている兆候として見ることもできます。

この問題はさらに「では、人手不足倒産を政府が補助金で救うのは正しいのか?」まで進めると、日本の中小企業政策のかなり根本的な問題につながります。

結論


日本は不要な事業サービス減らしてもっと縮小しろ、という意味で良いか

感想

もともとChatGPTはアメリカ寄りの価値観だった気がするが、最近は日本寄りの意見を言うようになった。これはユーザの趣向を学習している可能性と、様々な文献集めた結果日本に寄った可能性のどちらであるかは判断できない。
序盤はとにかく日本は人手不足なんだ~って感じだったのが、途中で冷酷に人足りてるから事業減らせになったロジックは何だったのか。反論できなくなった可能性と、迎合してくれた可能性のどちらであるかは判断できない。
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