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赤頭巾ちゃん気をつけて 庄司薫

ダイヤモンド
この小説が書かれて55年、小説世界を支える基礎情報は蒸発して消えた。過去、それなりの二項対立が成立していた時代にこそ、経済が隆盛を極めたという事実の証が、この主人公である。
森のように、海のようになりたいと願った男の「未来」は、一体どこにあるのだろうか。この鮮烈な経験が十年、二十年もの時を経て、彼の人生をどのように変えるのかを知りたくなる。わたしは尾崎豊の「15の夜」にも共通することを思うが、彼は26歳という若さで急逝した。しかし尾崎とは違い、ごく最近(2026年4月5日)に亡くなった庄司の著書の執筆は、1987年で止まっていたようだが。


第六十一回受賞作(1969年)
わたしの評価 ★

わたしの印象に残った選評 車はうごかなくても、車輪がくるくるまわっているので、車がうごいているように見える、そこに「赤頭巾ちゃん気をつけて」のスタイルの面目がある、それがおもしろくないこともない。そういっても、スタイル一手で押しきってカンペキと申すまでには至らない、それほどお立派なものではない、やりそこないの部分をもふくめて、このスタイルは一つの価値を作っている。これを価値といってはあぶなっかしいというか。しかし、わたしはあえてこのスタイルを推す(石川淳)
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